海の危険生物の特徴や対策、応急処置方法など
海のレジャーを楽しむために!触らないが一番 海水浴やシュノーケリング時によく見かける危険生物について紹介します。
掲載されている応急処置はあくまでも参考程度ですので、速やかに医療機関で受診してください。
ドクウツボ/他ウツボ類
◆時期:年中
◆特徴:リーフ内にも外にも生息し、その殆どは岩礁等の穴や切れ目に潜んでおり、誤って穴に手を入れてしまい噛まれる。咬毒はない。
◆対策 :むやみに岩穴等に近づかない、手を入れない。
◆応急処置 :海から速やかに上がり、受傷部をよく洗浄し直ちに医療機関へ
クロガシラウミヘビ
◆時期:年中
◆特徴:人間の方から刺激しない限りウミヘビが人間を襲うことは稀であるが、その毒の強さは、ハブの20~30倍とも言われている。噛まれた場所は痛みも少なく腫れもでない
◆対策:遭遇しても慌てず、素通りさせ絶対にちょっかいをださない。
◆応急処置:万が一、噛まれてしまったら、直ちに医療機関へ搬送。
オニダルマオコゼ
◆時期:年中
◆特徴:全長約40cm位まで成長する。全部の背びれに毒棘があり腹びれや骨びれにも毒棘がある。浅い珊瑚礁や砂地、穴や岩陰に身を潜めている。毒棘は猛毒で死亡例がある
◆対策:絶対にさわらない。棘は太く強靭でゴムやウエットスーツを簡単に貫通してしまうので、干潮時の潮干狩り等では分厚いゴム底の靴を履はいた方が良い。
◆応急処置:海から速やかに上がり、可能であれば傷口から毒を搾り出す。受傷部より心臓に近いところを縛り、直ちに医療機関へ搬送。
ハナミノカサゴ
◆時期:年中
◆特徴:背びれと胸びれに毒棘がある。綺麗な胸びれ大きく開きゆっくりと泳ぐ為、直接触れて刺されてしまうことがある。
◆対策:むやみに触らない。近寄らないことが賢明である
◆応急処置:海から速やかに上がり、棘を慎重に抜き、受傷部をよく洗い流す、直ちに医療機関へ搬送。
ゴンズイ
◆時期:年中
◆特徴:全長約40cm位 背びれと胸びれに太く強い毒棘がある。刺さった場合、直後から激痛が起こり、数日間持続する。
◆対策:直接、素手で触らない
◆応急処置:火傷に注意しながら、43度程度のお湯に患部をつけると痛みがやわらぐ。直ちに医療機関へ
ヒョウモンダコ
◆時期:不明
◆特徴:珊瑚礁の穴、岩の隙間や下で見受けられ潮干狩り等でも見つけられることがある。唾液にフグ毒と同じのテトロドキシンがある。噛まれると毒が注入される。短時間で死にいたる程の猛毒
◆対策:絶対に触らない。近寄らない。
◆応急処置 :直ちに医療機関へ搬送
ウモレオウギガニ
◆時期:年中
◆特徴:リーフでよく見かけるカニで、食べなければ害は無い 食べての死亡例もある。
◆対策 :絶対食べない、捕らない
◆応急処置 :直ちに医療機関へ
アンボイナ
◆時期:年中
◆特徴:殻の大きさは約13cm位まで成長する。歯舌歯を持ちこれで小魚を刺して捕食する。歯舌歯は刺さると抜けにくい構造になっており、神経毒を注入する※死亡例もある非常に強い毒性(痛みはあまり感じない)
◆対策:綺麗な巻貝は特に注意し、むやみに触らない。またウエットスーツをも貫通する歯舌歯があるので危険
◆応急処置 :海から速やかに上がり、毒を吸出し、直ちに医療機関へ。
タガヤサンミナシガイ
◆時期:年中
◆特徴:アンボイナ同様、歯舌歯を持ちこれで小魚を刺して捕食する。歯舌歯は刺さると抜けにくい構造になっており、神経毒を注入する※非常に強い毒性
◆対策:綺麗な巻貝は特に注意し、むやみに触らない。またウエットスーツをも貫通する歯舌歯があるので危険
◆応急処置 :海から速やかに上がり、毒を吸出し、直ちに医療機関へ。
ガンガゼ
◆時期:年中
◆特徴:棘の長さは20~30cmもあり、折れやすく刺さると体内に残ってしまう事があるので除去が難しい。
◆対策:見つけても触らない。海底(リーフ)に足を付く時は、一度確認することと、靴底の硬い物を着用する。
◆応急処置:刺さった棘はまっすぐ抜くこと、42度以上のお湯につけると、痛みがやわらぐ。直ちに医療機関へ。
ラッパウニ
◆時期:年中
◆特徴:食用のシラヒゲウニとほぼ同じリーフ内に生息している。表面にあるラッパ状の棘に毒がある。軽傷では腫れと痛みだけだが、重症では全身まひ、呼吸停止にまで及ぶ。ショックで溺れることもある。
◆対策:むやみに触らない。靴底の固いものを着用する。
◆応急処置:海から速やかに上がり、棘は素手で触らないようにして取り除く。水で洗い40~50度のお湯につける。直ちに医療機関へ。
ミレポラサンゴ
◆時期:年中
◆特徴:リーフの中にも外にも生息し、石サンゴにそっくりだが別物(ヒドロ虫の仲間)で刺胞毒を持つ。刺されると最初は軽度の症状が多く、刺されてから数日後に重い症状がでる。腎臓障害事例あり
◆対策:むやみに触らない。誤っての接触を防ぐ為、見つけても近寄らない。
◆応急処置:海から速やかに上がり直ちに医療機関へ行き、どのようなサンゴ状の物を触ってしまったかを説明することが大事。
イタアナサンゴモドキ
◆時期:年中
◆特徴:リーフの中にも外にも生息し、板上に群生する。刺胞を放出し近づいただけでかぶれることがあります。火傷に似た症状もあるといわれる
◆対策:むやみに触らないこと誤っての接触を防ぐ為、見つけても近寄らない。
◆応急処置:海から速やかに上がり直ちに医療機関へ行き、どのようなサンゴ状の物を触ってしまったかを説明することが大事。
ヤツデアナサンゴモドキ
◆時期:年中
◆特徴:リーフの中にも外にも生息し、日中でも強い刺胞毒を持った細い糸状のポリプを出す。
◆対策:むやみに触らない。誤っての接触を防ぐ為、見つけても近寄らない。
◆応急処置:海から速やかに上がり直ちに医療機関へ行き、どのようなサンゴ状の物を触ってしまったかを説明することが大事。
イラモ
◆時期:年中
◆特徴:サンゴ礁や岩などに固着し、イソギンチャクの様なポリプの時期とクラゲの様に浮遊する時期と世代交代する。刺糸を発射しこれが皮膚に刺さると疼痛を起こす。
◆対策 :むやみに触らない。誤っての接触を防ぐ為、見つけても近寄らない。ウエットスーツ等で肌の露出を少なくするのが好ましい
◆応急処置 :まず擦らない。刺糸を発射していない刺胞がたくさん患部に付いているので、海水だけで洗い流す。水・お湯・酢などで洗うのは厳禁、かえって直ちに刺糸を発射してしまう。洗浄後、直ちに医療機関へ。
ガヤ類
◆時期:年中
◆特徴:サンゴ礁の浅瀬等に生息し、植物の小枝や海草の様にみえるがイソギンチャクの様にポリプで形成されている。刺糸が刺さると激しい痛みが発生する。
◆対策 :むやみに触らない。誤っての接触を防ぐ為、見つけても近寄らない。ウエットスーツ等で肌の露出を少なくするのが好ましい
◆応急処置 :まず擦らない。刺糸を発射していない刺胞がたくさん患部に付いているので、海水だけで洗い流す。酢などで洗うのは、かえって刺糸を発射してしまうおそれがある。洗浄後、直ちに医療機関へ。
オニヒトデ
◆時期:年中
◆特徴:大きさは直径約60cm位まで成長する。体表面は多くの棘がありその先端は鋭く、折れやすい構造になっており毒は棘表面にあるとされている。裏面の透明な粘液も触ると激しい皮膚炎を起こす。
◆対策:むやみに触らない。誤っての接触を防ぐ為、見つけても近寄らない。海底(リーフ)に足を付く時は、一度確認することと、靴底の硬い物を着用する。
◆応急処置:刺さった棘はまっすぐ抜くこと、42度以上のお湯につけると、痛みがやわらぐ。直ちに医療機関へ。
イワスナイソギンチャク
◆時期:年中
◆特徴:サンゴ礁でよくみかけるスポンジ状の形態で、猛毒のパリトキシンを含んでいます。イワスナギンチャクの卵、幼生を捕食する魚類もこの毒を蓄積する。
◆対策 :むやみに触らない。誤っての接触を防ぐ為、見つけても近寄らない。
◆応急処置:海から速やかに上がり、直ちに医療機関へ行き、どのような形状の物を触ってしまったかを説明することが大事。
ウンバイイソギンチャク
◆時期:年中
◆特徴:リーフの中にも外にも生息し、岩や海草に見間違えるので、誤っての接触事故が多い。触ると刺糸が発射され火傷の様な激痛を起こす。
◆対策:むやみに触らない。誤っての接触を防ぐ為、見つけても近寄らない。ウエットスーツ等で肌の露出を少なくするのが好ましい
◆応急処置:まず擦らない。刺傷時はまだ刺糸を発射していない刺胞がたくさん患部に付いているので、海水または水道水で洗い流す。酢などで洗うのは厳禁、かえって刺糸を発射してしまう。洗浄後、直ちに医療機関へ。
参考文献・資料について 掲載画像/資料提供 自然写真家 興 克樹 氏 ↑HPはこちらから
参考文献 財団法人 沖縄科学技術振興センター研究発表 海の危険生物治療マニュアル
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